この手が、うれしい。

手のシワにまで入り込んだ土。
水で洗っても、石けんをつけても、完全には落ちない。

けれど、それがなんだか少しうれしい。
それだけ夢中になって、畑に向き合った証だから。

初めての土いじりは、想像以上に重くて、硬くて、
でもふとした瞬間にふわっと柔らかくなる。

地面から香る、湿った匂い。
芽を出そうとしている気配。
体はヘトヘトだけど、心が軽くなる。

農業って、汗をかく仕事だけど、
同じくらい笑顔が湧き出てくる仕事なんだと思った。

この土の中に、未来の実りが眠ってる。
そんなことを思いながら、今日もこの手で、土を握る。