
ツナギに袖を通して、初めて立った畑の真ん中。
手作りの看板に手を添えて、後ろ姿のまま、ただ風を感じていた。
目の前にはまだ何もない。
ただの土。草。風。空。
でも、そこに何を描けるかは、自分しだいだ。
農業って、簡単じゃない。
毎日が自然との対話で、正解はひとつもない。
けれど、その分、自由だ。
工夫した分だけ、土が応えてくれる。
この背中を見て、誰かが「何か」を感じてくれたらうれしい。
かっこいいでも、楽しそうでも、ちょっと笑えるでもいい。
まだ始まったばかり。
だけどこの畑で、自分の想いを育てていきたい。
そんなことを、今日はふと思った。