とうきび

とうきびを植えてみた。
小さな苗が土に根を下ろし、まだ頼りなさそうに風に揺れている。
最初は「ちゃんと育つのかな」と少し心配だったけれど、
毎日見に行くたびに、背が伸び、葉を広げ、ぐんぐんと太陽の方へ向かっていく。

雨の日も、風の日も。
文句ひとつ言わず、ただまっすぐに成長していくその姿が、
だんだんと、励ましのように見えてくる。

「自分も、昨日より少しは前に進めているかな」
そんなふうに問いながら、とうきびの成長に自分を重ねてみる。
うまくいかない日もあるけれど、根を張って、踏ん張って、光を探して——
とうきびの姿は、言葉なく教えてくれる。生きるって、そういうことだよと。

やがて立派に実をつけたそのとき、
わたしはどんな自分になっているだろう。
この一本のとうきびが、そんな未来を見せてくれる気がしている。